骨盤矯正の基礎
骨盤が歪むと何故いけないのでしょうか?
何がどうなってどんな不具合が出るのでしょうか?
体や内臓の疲れから筋肉状態が変わり、骨盤に影響が出やすいものです。
また生活習慣やクセなども影響が出やすいです。
何がどうなってどんな不具合が出るのでしょうか?
体や内臓の疲れから筋肉状態が変わり、骨盤に影響が出やすいものです。
また生活習慣やクセなども影響が出やすいです。
ここでは、骨盤のゆがみが体に与える影響を説明します。
~骨盤の役割とは?~
骨盤は体の中心にあり、背骨とつながって上半身を支え、また下半身ともつながり、二足歩行を支えています。
骨盤の中では内臓も支え、体全体のバランスを上手くとっています。
骨盤の中では内臓も支え、体全体のバランスを上手くとっています。
つまり、体の中心にある骨盤が少し歪むだけでも、上半身と下半身のバランスが崩れてしまい、またそのバランスを補う為に、背骨や首、肩、脚の軸までがずれてくるのです。
~骨盤はどうして歪む?~
大きな原因に、日常的にとっている姿勢があります。
- スマホやパソコン作業で、背中が丸まっている時間が長い。
- いつも同じ場所からテレビを観ている。
- よく脚を組む癖がある。
- 片足荷重やいつもどちらかの肩にカバンにを持つ。
同じ姿勢を長時間続けることで、ある場所の血管が圧迫を受け、その先にある筋肉への血行不良が起きます。血行不良の筋肉はどんどん固くなります。
また、筋肉は悪い姿勢によって引っ張られ続けることでも大きなストレスを受け、緊張状態となり固くなります。
こうしてバランス悪く固まってしまった筋肉に引っ張られることで、骨格が歪んでいくのです。
その他、暴飲暴食や不規則な食生活で内臓が疲労し下垂してしまったり、加齢や運動不足等により腰や骨盤周りの筋肉が衰え、萎縮して固くなり、それらの筋肉に骨盤や腰の骨自体が引っ張られることでも歪みが発生します。
骨盤の歪みと背骨の歪みは連動しています。
背骨の歪みを直すことが、骨盤の歪みを直すことにもつながっていきます。
生活の中での姿勢や食生活等、生活習慣をみ見直すことも重要になってきます。
~骨盤が歪むとどうなるの?~
1.姿勢
背骨と骨盤はつながっている為、骨盤の歪みは背骨に連動します。
例えば骨盤が後ろに傾くと、腰も後ろへ傾き、背骨の上部から肩、首は前へと丸まってバランスを取ろうとします。
また、前に傾いた首の先にある頭は、平衡感覚を保つために顎を突き出し、目線を地面と平行に保とうとします。
これが、典型的な猫背の姿勢です。
また骨盤は下半身ともつながり、二足歩行を支えています。
骨盤が歪むことで、骨盤周りの筋肉等に挟まれた血管が圧迫され、脚も血行不良になり、そのため脚の筋肉も衰えて萎縮し固くなります。
脚の筋肉は固くなると全体的に内側にねじれると同時に、脚の付け根(大腿骨の先端部)は外側にずれてきます。
こうして脚の軸バランスが崩れて、短く見えたり、O脚やX脚等の不具合にもつながります。
2.腰
背骨の腰の部分は、椎骨(ついこつ)という骨が軟骨組織の椎間板を挟みながらつながっています。
背骨の中には、脳からつながっている神経組織、脊髄(せきずい)が通っています。
また、背骨の椎間孔(ついかんこう)と呼ばれる穴からは、その脊髄とつながる脊髄神経が出入りし、全身の知覚や筋肉等の運動、内臓の機能の調整などを行っています。
腰が曲がったり、ねじれたり、上から押し潰されたりすると、椎間孔から出入りする脊髄神経は圧迫を受けます。
その結果、筋肉は血行不良の状態となり、固くなり、慢性的な腰痛を引き起こします。
また、その様な状態が続くことは、腰部椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症、滑り症、ぎっくり腰等の、様々な腰のトラブルを引き起こす原因にもなるのです。
3.肩、首
骨盤が後ろに倒れると、背骨の腰の部分は後ろに反り、腰より上の部分はそのバランスをとろうとして前に傾き、肩と腕は内側に丸まります。
また、背骨の上部が前に傾くことで首も前に倒れると、目線は地面と水平を保つようにして顎先は前に出て、猫背になります。
こうして背中が丸くなることで、肩甲骨周りの筋肉は常に引っ張られて緊張し、大きなストレスを受け、肩凝りになります。
また、前方へ突き出てしまった頭が前へ倒れないように、首の筋肉は重い頭を後ろへ引っ張って支えます。
こうして首の筋肉もストレスを受け続けて、首凝りになるのです。
また、首の骨が前へずれて、神経や血管の出入り口が狭くなると、血行不良が起きたり、脳脊髄液が脳に溜まってしまったりすることで、頭痛の原因にもなります。
4.下半身のむくみ
骨盤が歪むことで腰の骨も連動して歪みます。
腰の骨と骨の間の小さな神経の出入り口が、骨がずれて狭くなってしまうことで、そこから出入りしている神経が圧迫されます。
すると血行も悪くなり、筋肉が固くなります。
固くなった筋肉に、下半身へつながる血管や神経は圧迫を受け、さらに下半身の血液循環は悪くなっていきます。
血液循環が悪くなると筋肉の動きも低下します。そのため筋肉の動きを助けにして流れているリンパ液もその流れが滞り、下半身がむくむのです。
また、こうした血行不良により脚の筋肉が固くなると、脚は内側にねじれて太ももの骨は外へ張り出してきます。
これは、6.美容 でも説明がありますが、見た目にも影響し、実際よりも太ももが太く見えたり、お尻が大きく見えたりするわけです。
一方、お尻の筋肉である梨状筋(りじょうきん)や内双子筋(ないそうしきん)、内閉鎖筋(ないへいさきん)は骨盤から太ももの骨の内側につながっています。
太ももの骨が外へずれて張り出すことで、それらのお尻の筋肉も外方向へと引っ張られてしまいます。
それらのお尻の筋肉の間には、下半身へつながる太い神経、座骨神経が通っている為、座骨神経痛の原因のひとつ(梨状筋症候群)にもなります。
5.冷え
加齢や運動不足による筋力低下や毎日の生活習慣により骨盤が歪むと、血管や神経が圧迫されることにより血行不良となり、筋肉が固くなります。
筋肉は固くなるとその動きも鈍くなるので、十分な熱をつ作り出すことが出来なくなり、冷えへとつながります。
また、骨盤が開いたり、内臓を支えている筋肉が衰えることで、内臓は下垂します。
下垂した内臓は、本来の位置からずれると、その動きも悪くなる為、冷えて冷たくなります。
一方、全身の末端まで巡って冷えてしまった血液は、内臓で熱を得てから心臓へと戻ります。
ところが、下垂により冷えた内臓では十分な熱を得られないまま心臓へ戻ってしまうという血液の悪循環が起き、全身の冷えになっていくのです。
そのほか、内臓下垂は自律神経の交感神経を優位にし、血管を収縮させるため、血流が悪くなり、身体の末端まで温かい血液が行き届かなくなるので、末端冷え性などの冷え症の原因にもなります。
6.美容
骨盤の歪みは、痩せにくい身体の大きな原因にもなります。
ひとつは骨盤の歪みからくる内臓下垂。
本来の位置にいられなくなった内臓は、引っ張られたり押し潰されたりして大きなストレスを受け、機能が低下してしまいます。
内臓の大切な機能である消化機能が低下すると、身体の細胞も元気がなくなり、エネルギーを代謝する機能が落ちます。つまり、基礎代謝量が落ち、脂肪を蓄えやすい体質になってしまうのです。
そしてもうひとつは、骨盤の後傾。
骨盤が後ろに傾くと、上半身では下腹部を前に突き出し、肩から首は前へ出て猫背になり、顎先は前方へ突き出る形になります。
このような悪い姿勢で立つと、下半身ではバランスをとるために、膝が曲がり、太ももの前側から膝までをやや前に突き出した姿勢になります。
そうすると、太ももの前は常に伸ばされ、引っ張られた状態に。膝から下では、ふくらはぎが常に縮んだ状態になってしまいます。
ストレスのかかった脚の筋肉はどんどん固くなります。
固くなった脚の筋肉は、内側へねじれて太ももの骨は外へ張り出そうとします。
その結果、脚が本来より太く見えてしまったり、お尻も大きく見えてしまったりもします。
また、こうして脚が内側にねじれながら外側に張り出し、脚の軸バランスが狂ってしまったり、筋肉自体が萎縮して固くなってしまうことは、脚と骨盤をつなぐ関節である股関節の動きを悪くします。
股関節の動きが制限されると歩幅も小さくなります。
その結果、同じように運動しても運動量は減り、運動によるエネルギー代謝量は落ちます。
また、筋肉自体が固いとエネルギーがうまく活性出来ず、基礎代謝量も落ちてしまう為、痩せにくい体質になってしまうのです。